新聞記者のバイブル
私たちが販売している新聞1ページには、おおよそ5000~8000文字印刷されています。
紙に印刷される都合上、ミスや誤表記は許されません。
また、表現の解釈も受け手が決めますので、新聞の編集には多くの配慮や注意が必要です。
そのため、言葉の使い方や表現方法をまとめたルールを知っておかなければいけません。
そこで必要となるのが「記者ハンドブック」です。
「記者ハンドブック」とは、共同通信社によって発行されている新聞記事を書くためのルールブックです。
言葉や文章の間違いがないように案内してくれ、読みやすい文章作りの大きなパートナーです。主に新聞など文章を書く仕事をされている人にとっては必携の本です。
現在の発行されているものは第14版で、1956年11月初版の発行から70年近く、新聞の文章作りに関わってきました。まさに、新聞記者にとってはバイブルのような本です。
正しい日本語を使いこなすのは難しい
仕事や勉強などで文章を書いている中で、「この表現、正しいのかな?」と思われた経験は誰もがあるかと思います。
例えば、「つくる」という言葉でも、「作る」「造る」「創る」の3つの表現があります。
これらをどう使い分けるかというと、難しく感じます。
また、「誤りやすい語句」についてのページもあり、日常生活での誤用に気づかされます。
×明るみになる→〇明るみに出る・明らかになる
×嫌気がする→〇嫌気が差す・嫌気を起こす
×天罰が当たる→〇天罰が下る
×苦虫をかんだような→〇苦虫をかみつぶしたような
×排気ガス→〇排ガス・排出ガス
×被害を被る→〇被害に遭う・損害を受ける
確信犯
×悪いことであると分かっていながらなされる行為・犯罪又はその行為を行う人
〇政治的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪又はその行為を行う人
情けは人のためならず
×情けはその人のためにならない
〇善いことをすればよい報いがある
役不足
×荷が重い・大役すぎる・力不足
〇役者が自分の役を不足として不満を言う
差別語や不快語など注意すべき言葉や数字や単位、外来語や新語の言及と使い方にも触れています。
読みやすく、正しい日本語のお手本に
記者ハンドブックをペラペラとめくるだけでも、日本語の奥深さと無限の表現方法があることに気づかされます。また、文章を読んでもらうための工夫として、「並列」「逆接」「協調」などの文章関係のつくり方の勉強になります。
新聞記者の方に関わらず、作文や小論文、ライティングをされている企業の広報やブロガーの方に強くおススメできる1冊です。
発信する内容をより正確に楽しく読んでもらうための一助に、ご活用してみてはいかがでしょうか?
作る…小規模なものを作るときに使用される。
「ルールを作る」「新聞を作る」「記録を作る」「作り話」など
造る…大規模なものを造るときに使用される。
「家を造る」「国造り」「造り酒屋」「石造り」など
創る…創造・独創を強調する場合に使用される。
「文化を創る」「神が世界を創る」など
さらに、ひらがなで「つくる」という表現は、「主に抽象名詞にくっついて」使用されます。(「会社をつくる」「人脈をつくる」「時間をつくる」「まちづくり」など)